ウサギのブログ

ナンパ、その他適当に綴っていきます。

アイヌ神謡集【読書メモ】

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アイヌユーカラ。韻文物語の中でも神のユーカラ(カムイユカル)に分類される物語が、13篇おさめられている。

 

序(知里幸恵

梟の神の自ら歌った謠「銀の滴降る降るまわりに」

狐が自ら歌った謠「トワトトワト」

狐が自ら歌った謠「ハイクンケレテ ハイコシテムトリ」

兔が自ら歌った謠「サンバヤ テレケ」

谷地の魔人が自ら歌った謠「ハリツ クンナ」

小狼の神が自ら歌った謠「ホテナオ」

梟の神が自ら歌った謠「コンクワ」

海の神が自ら歌った謠「アトイカ トマトマキ クントテアシ フム フム!」

蛙が自らを歌った謠「トーロロ ハンロク ハンロク!」

小オオキリムイが自ら歌った謠「クツニサ クトンクトン」

小オオキリムイが自ら歌った謠「この砂赤い赤い」

獺が自ら歌った謠「カッパ レウレウ カッパ」

沼貝が自ら歌った謠「トヌペカ ランラン」

知里幸恵さんのこと(金田一京助

20歳で命を落としたアイヌの女性により編訳された本。 編者は近文に住み、旭川の学校に通っており、この旭川と縁がある。この本は、アイヌの文化を知ることができる貴重な資料の一つだ。最近ヤングジャンプでは、アイヌの女の子が登場する「ゴールデンカムイ」という漫画を連載していることだし、これはアイヌブーム到来確実だな。

 

鳥やけものが人に射落とされるのは,人の作った矢が欲しいので,その矢をとるのだと言います.

アイヌの文化では自然や動物を尊重するという。狩猟における動物優位のこうした考え方も、その文化の現れなのであろう。

 

なんにもならないつまらない死方,悪い死方をしなければならない

 この表現がなんども出てくる。死に方にも良し悪しがあるようだ。

 

それから,前には,兎は鹿ほども体の大きなものであったが,この様な悪戯をしたためにオキキリカムイの一つの肉片ほど小さくなったのです.

ウサギは大きかった。(らしい。)

 

「それはお前のユーカラかえ?サケハウかえ?もっと近くで聞きたいね.」私はそれをきいて嬉しく思い下座の方の炉縁の上へピョンと飛んで

これは旭川の居酒屋「炉端のユーカラ」の元ネタかな?とても良い居酒屋なので、こんど記事を書こうと思う。

 

水源から胡桃の水,濁った水が流れ出し

アイヌではくるみに恨みでもあるのだろうか?文中では、もはや毒扱いされている。美味しいのにもったいない。

 

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100年橋梁【読書メモ】

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 100年を生き続けた橋の歴史と物語

 いまから100年も前に作られた橋が、現役で使われているのだから、すごい話だと思う。

 

目次

はじめに

第1話 鉄は鉄でも色々ありまして

コラム 鉄の変遷と構造物

第2話 英米橋梁バトル

コラム 日米で活躍した橋梁技術者ワデル

第3話 橋の身分証明書

第4話 今こそ必要な橋保のノウハウ

 第5話 お化粧こそが長生きの秘訣

第6話 100年橋梁のお値段は?

コラム ドイツ製橋梁の歴史

第7話 橋の引越し

コラム リベット

第8話 100年橋梁の時代に橋梁設計技術の礎を築いた關場茂樹

第9話 大正期に流行した建築様式アール・ヌーヴォ風の飾りが施されたアーチ橋

第10話 旧国鉄足尾線で今も現役で活躍する100年橋梁

コラム 第二渡良瀬川橋梁の興味深いトラス構造

第11話 長年の風雪に耐えてきた山間部のトレッスル式高架橋

第12話 イギリス系のトラスとプレートガーダ

第13話 改造・改変で当時の姿を後世に伝える100年橋梁

コラム いろいろな橋脚の材料

第14話 私学のダイヤモンド金井彦三郎が遺した100年橋梁

第15話 土木コンサルタント第一号樺島正義が遺した静岡県内国道第一号線の橋梁群

第16話 日本初のカンチレバー式架設工法によるトラス橋

コラム 橋を落下させる!?

第17話 いろいろなトラス橋とその変遷

コラム シュヴェットラートラスの原理

第18話 台湾鉄道建設の鋼橋国産化に与えた影響

コラム ブレーストリブアーチの旧八ツ山橋

第19話 ラチス桁

第20話 橋のかたちと意匠にみる流行

第21話 東京市街高架橋と東京駅の開業

第22話 100年橋梁を支え続けている円柱橋脚

第23話 鉄、鋼橋はどのように人々に迎えられたか?

コラム カンチレバー橋(ゲルバー橋)とは?

100年橋梁の時代 ーあとがきに代えてー

 土木学会鋼構造委員会による編集。橋マニアにはたまらない内容だろう。土木工学の知識がなくても楽しめる。やはり土木建築物は奥が深くて良いな。読む際は桁橋、アーチ橋、トラス橋の違いくらい分かればなお面白いと思う。

 

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ふしぎな国道【読書メモ】

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国道マニアの著者がひたすら国道について語る本。

目次

余はいかにして国道マニアとなりしか

第1章 国道の名所を行く

第2章 酷道趣味

第3章 国道の歴史

第4章 国道完走

第5章 レコードホルダーの国道たち

第6章 国道標識に魅せられて

第7章 都道府県道の謎

第8章 旧道を歩く

第9章 深遠なるマニアの世界

あとがき

 

 

特殊で実用性のない内容なので、息抜きにちょうど良い本。国道界の深遠さは大変興味深く、純粋に楽しんで読むことができる。

 

フェリーは法律上国道区間の一部として扱われる。

これは人に自慢できる良い雑学になりそうだ。海をまたいで同じ番号の国道が続いているらしい。地図もよく見ると、フェリーの航路は点線引きになっていた気がする。

 

国道というと、複数車線の整備された綺麗な大きい道路を想像するが、そうばかりでもないらしい。ろくに整備されず、常に落石・落下・衝突などの危険と隣り合わせの国道も存在するらしい。

こうした道を、マニアは親愛の情と畏怖を込めて、「酷道」と呼び習わす。ちなみに危険な都道府県道などには、「吐道」(都道)、「獰道」(道道)、「腐道」(府道)、「険道」(県道)、「死道」(市道)、「苦道」(区道)、「損道」(村道)などという言葉も存在している。

 

 国道は全てが「一般国道」の名称で管理されている。そのなかで、特に重要な区間のみを「指定区間」として国土交通省で直轄しているという。

北海道の国道は全てが指定区間になっている。

理由はわからないが、これは使えるトリビアだろう。

 

以前車のCMで、「ベタ踏み坂」という非常な急坂が登場して話題になった。あの坂は、鳥取島根県境の中海にかかる市道「江島大橋」という橋だ。

あれはどこなのだろうと、ずっと気になっていた。こんど行こうと思う。実は、ベタ踏み坂の最大勾配は6.1%ほどしかないらしい。国道の最大傾斜は、国道308号の31%だ。これはスキーコース上級に匹敵する。

 

【まとめ】

普段あまり関わらないジャンルの本を読むと、知らない知識や新たな発見を得ることができるので、非常に興味深い。特に土木関係は、生活に密接に絡んでいるにもかかわらず、気にかけない分野なので、面白い。 

 

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脳の強化書【読書メモ】

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今は脳科学の専門家以外でも、本のタイトルに軽々しく「脳」をつけるなど、根拠もないままに脳が論じられている状況です。

というわけで、脳の専門家による本です。この本は、「脳番地」という考え方に基づいて論じられていきます。脳番地というのは、機能ごとの脳細胞の集合のことです。

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脳番地は組み合わせて鍛えられる

眠っている脳番地を刺激せよ

 と書かれており、普段とは異なった脳の使い方をすることで、脳を鍛えるという内容の本です。

例えば、

創作料理をつくってみる

これは、伝達系のトレーニングです。料理には、食べる人が存在します。相手の好みを想像し創作料理を作ることは、 問題解決の手順を道筋立てて考え、言葉に置き換える作業に通じるため、理論的な思考を鍛える訓練にもなるそうです。

鉛筆を使って日記を書く

デジタルで文章を書く場合に比べアナログでは、自ら文字を正確に書く必要があります。文字の大きさや、丁寧さも自分で調整しなければなりません。 また、鉛筆では削り具合や筆圧によりさらなる微調整が求められます。このことにより、運動系、特に指先の脳番地トレーニングにもってこいなのだそうです。

 

他にも色々あります。

 

【まとめ】

この本に記されているトレーニング法の意図を一言で表すと、「脳のセクショナリズムの排除」になると思います。

人間の脳は、使えば使うほど機能を増します。脳細胞の数は20代をピークに減少していきますが、30代、40代と年を経るごとにバカになっていくわけではありません。これは、脳細胞の数よりも、細胞同士のつながりにこそ価値があるからです。脳細胞は、使えば使うほど、ニョキニョキとつながりを強化します。使わない細胞は、座して死を待つのみです。

文明の利器により、横断的に脳の領域を使う必要の少ない世の中ですが、この本に書かれているトレーニングを通じて、脳を強化すると良いと思います。少し意識すると、日々の生活の中で本当に頭を使う場面が少ないのに驚きます。

 

20代から知っておきたいお金のルール【読書メモ】

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先日、年収減によりマイホームを手放したという男性の記事をネットで見かけた。持ち家のない私にとっては、関係ないといえば関係無い内容だったのだが、先行きの見えない日本経済のもとで、いかにして自分の資産を守っていくべきなのかということを考えさせられた。

少子化増税社会保障の低減、加えて日本の税制や公的援助の仕組みの分かりにくさ!いち労働者としても考えなければならない問題が山積みだ。

以下、気になった内容をピックアップしていく。

 

結婚相手に求めるのは、年収より「使い方」

 結婚したら、金銭の管理は家庭単位になるのだろう。お金に対する価値観が合う相手なら良いが、そうでなければストレス必至だ。質素で堅実な相手がベストだろう。金銭感覚が狂っている女と結婚したら、苦労しそう。

 

国は以外と手厚く守ってくれます

国による保障も実は色々あったりする。でも、分かりにくい。

国民年金、厚生年金、障害年金、遺族年金、健康保険、雇用保険労災保険。調べるまで、どんな保障を受けることができるのか知らなかった(いまでも全容はつかめないけど)。こういう内容は、ぜひ学校で教えて欲しかった。生きていく上で必要な情報ほど、学校では教えてくれない。

これら、国の保障で足りない部分を民間の保険で補っていくのが、ライフプランの基本的な考え方だ。入社時に言われるままに入った保険は、たぶん無駄の宝庫だと思う。

 

病気やケガで入院している間、サラリーマンは傷病手当金で収入の一部が保障されてるけど自営業者にはそれがありません

自営業は、大変らしい。

 

保険に入らない選択肢もある

 扶養している家族がいなければ、生命保険は必要無い。

医療保険も、窓口3割負担+高額療養費制度を使えば、そんなに大した保障をかける必要はない。

「万が一に備える」という、保険の意義をよく考えれば、過大な保障の必要がないことがわかる。

 

【まとめ】

稼ぐのも大事だし、資産を守るのも大切。受けれる保証は受けて、不必要な保険は掛けない。それは、自分で払っている税金であり、汗水流して稼いだ所得だから。無駄にできる金は、一銭もない。

ウイスキーと私【読書メモ】

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NHK連続テレビ小説「マッサン」のモデルである竹鶴政孝さんの自伝。

たいていのものはテレビ化・映画化されると、便乗本が多数出版されるようになる。このマッサン関連でも、私が訪れた書店に設けられたコーナーには、多種の本が積まれていて辟易させられた。こういうときに選ぶべきは、本人自ら著した本をおいて他にないだろう。訳もわからぬ外野が書いた本ほど、つまらぬものはない。

内容は、波乱万丈で面白い。日本の酒造業界の歴史の勉強にもなる。

私はいつも思うのだが、文化国家というものは、嗜好を高めることにある。

 

ちなみに、「マッサン」を観たことはありません。