ウサギのブログ

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若きウェルテルの悩み【読書メモ】

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オンリーワン中毒の成れの果ての物語。

ゲーテによる、有名な作品。人を死に至らせる書物。「ウェルテル効果」という言葉もある。

 

もし人間が・・・こうまでしつこく想像力を働かせて過去の不幸を反芻せずに、虚心に現在を生きて行けたら、今より苦痛がすくなくて済むんだがね。

さすがゲーテの文章。序盤から本質的な内容が書かれている。大体にして、苦痛は「今」にはない。過去を悔やんだり、未来を憂いたりするときに生じる。

 

学問のある学校先生や家庭教師の方々は、口をそろえて、子供というのは自己の欲求に拠ってきたる所以を知らぬとおっしゃるのだが、大人だってそうじゃないか。

そう。大人なんて、子供と比べてそんなにたいした存在ではない。理想を持って主体的に生きる大人はひと握りだ。ほとんどは、子供と変わらず、無自覚なままに外的要因に反応し続ける人生を送っている。

 

世の中のことは、どんなこともよくよく考えてみればくだらないのだ。だから自分の情熱や自分の欲求からでもないのに、他人のため、金のため、あるいは名誉とか何とかのためにあくせくする人間はいつだって阿呆なのだ。

物事の価値は、自分で決めるものだ。よくよく分析してみれば、どんなものにも絶対的な価値は無いのに気づく。だから、他人や社会の価値基準に踊らされて、人生を無駄にしないよう気をつけたい。

 

【まとめ】

ゲーテ自身の恋の体験がもとになった作品だという。書簡形式の文の中に、人生の真理が詰まっていた。

 

若きウェルテルの悩み (新潮文庫)

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